ハーレーのダイナモデルは、2017年を最後に生産終了となってしまいました。
どうしてもダイナモデルが欲しい場合は中古車を探すしかありません。
しかし中古のハーレーダビットソン。故障やトラブルの話を耳にしたことがありますよね?
本記事では筆者の所有するダイナ・ストリートボブを例に、中古のダイナを購入する時にチェックすべきところを解説していきます。
紹介するチェックポイントを押さえておけば、故障やトラブルを抱えるダイナを購入するリスクを減らせます。
では行ってみましょう。
ダイナモデルのエンジンはツインカム96がオススメ
ダイナモデルに搭載されているエンジンは3種類あります。
- エボリューション
- ツインカム88
- ツインカム96
オススメはツインカム96エンジンを搭載したモデルです。
やはり外れを引くリスクを避けるには、一番新しいエンジンを選ぶのが間違いないです。
ハーレーダビッドソンの歴代エンジンの種類【歴史と特徴をサクッと解説】
故障のリスクを度外視すれば、他のエンジンを搭載したモデルも魅力的なんですよね。
エボリューション
エボリューションはショベルヘッドの時代に比べ、飛躍的に信頼性が高まったエンジンです。
とはいえ最終型でも、今から20年以上前に製造されています。
つまり20世紀に製造されたエンジンです。
古い車両なので、ゴム類や電気系統などは交換が必要になってきます。
上記の理由から初めてハーレーを購入する人にはオススメしません。
それに加え近年は、手を加えられていない状態の良いエボリューション・ダイナを探すのが困難になりつつあります。
最近は明らかに状態の悪い車両でも高値で売られていますよね。
ツインカム88
ツインカム88は最後のキャブレター仕様の車両に搭載されているエンジンです。
サンズオブアナーキーでジャックスが乗っているFXDXもツインカム88です。
ツインカム88はエボリューションに比べ個体差も少なく、国産車に近い感覚で選べると思います。
比較的流通数も多く、価格もエボリューションに比べて手頃なのも嬉しいところですよね。
ただしツインカム88には大きな欠点があります。
それは巷で時限爆弾と言われている『カムチェーンテンショナーの破損』
乗り方で変わってくるので、一概に『~kmくらいで壊れる』とは言えません。
しかし、いずれ『その時』はやってきます。
ツインカム88に乗っている限り逃れられない問題なので、購入時は頭に入れておいた方が良いと思います。
壊れる前に性能アップも兼ねてギアカム化するのがトレンドです。
ツインカム96
ツインカム96エンジンは、すべてインジェクションモデルです。
キャブレーターモデルが欲しい人は悩みどころですよね。
とはいえ、外れを引くリスクを避けるには『1番新しいエンジン』を選ぶのが間違いない。
エンジンの基本構造はツインカム88と同じです。
さらにツインカム96はツインカム88で発生した不具合をフィードバック製造されています。
※カムチェーンテンショナーの破損対策済み
このことからツインカム96は信頼性の高いエンジンと考えられます。
事実、筆者14年間ツインカム96を搭載したストリートボブに乗っていますが、走行不能になるような大きなトラブルは起こっていません。
中古のハーレー・ダイナを購入する時の注意点
中古のダイナを購入するときに確認すべき項目は以下の6点です。
難しいかも知れませんが、可能であれば試乗させてもらいましょう。
マフラー(サイレンサー)
社外品マフラーに注意
ハーレーのイメージの弊害なのか車検対応のマフラーは大人しくて人気が無いです。
社外品が取付けられている場合は、車検不適合のものが多いです。
大抵はノーマルマフラーに戻して売却しているはずですが、注意しましょう。
ハーレーの刻印があっても車検非対応
【Harley-Davidson】と刻印されているマフラーでも【Screamin Eagle】の刻印があるものは車検に通らない可能性が高いです。
Screamin Eagleはハーレーのレース部門のモデルです。
レース用にリリースされたものは公道を走る基準を満たしていません。
写真のようにサイレンサーの裏側に『公道で使っちゃダメよ』と刻印されているので識別できます。
フロントフォークの錆
フロントフォークは左側を見る
ハーレーの中古車を買うときは左側のフォークを注視しましょう。
なぜなら、ハーレーにはセンタースタンドがありません。
サイドスタンドを使って停車するので、フォーク左側のカバーに水が溜まりやすいんです。
フォークのカバーに水が溜まる弊害
ダイナモデルに限らず、サイドスタンドで駐車するハーレー全車種に起こりやすい現象です。
水が溜まると錆が発生する
↓
フォークシールが傷つく
↓
フォークオイルの漏れが発生
屋外保管の車両に多いですね。
オイル漏れ
オイル漏れは避けられない問題
ハーレーに限らずパッキン類は経年で劣化します。
オイル漏れは長期的には避けられないトラブルです。
だからと言って、最初からオイル漏れしている車両は選びたくないですよね。
意外とシフトレバーの付け根がオイル漏れしやすい
エンジン周りはもちろんのこと、シフトレバーの付け根を確認しましょう。
ダイナモデルは一部車両を除き、ミッドコントロール。
ミッドコントロールの車両はシフトレバーの付け根からオイル漏れを起きる傾向があります。
筆者のダイナは2009年式ですが、今のところ大丈夫です。
蛇足ですが、筆者はシフトチェンジレバーをシーソーペダルに変更しています。
今でこそダイナ専用のシーソーペダルキットが販売されていますが、当時は販売されておらず無理やりFLショベルのものを流用しました。
ブーツも傷つかないのでオススメですよ。
ベルト
ハーレーのダイナモデルはベルトドライブを採用しています。
ベルトドライブは、ほぼメンテナンスフリーなのが有難いですね。
純正のベルトは10万kmまで耐えられる仕様です。
とはいえ、古くなって劣化したベルトは異物を巻き込むと切れやすくなっています。
目視で劣化が無いか確認しましょう。
予防整備として購入時に交換してしまうのも有りですよ。
ブレーキ周り
ブレーキパットは消耗品なので、交換してしまえば終わり。
しかし、ローター(ディスク)はそうはいかない。
交換にコストがかかるだけでなく、制動性に大きな影響を及ぼします。
ディスクに不自然な擦り傷が無いか確認しましょう。
タンク周り
タンクの下部から伸びる左右の連結管は、保管状態によっては劣化しています。
筆者の車両も屋外に保管していた時期があり、連結管が錆びてしまいました。
錆を放置すると、腐食して穴が空いてガソリンが漏れます。
タンクのつなぎ目をチェックしましょう。
ダイナモデルの中古車価格は上昇傾向
- エンジンはツインカム96がオススメ
- 車検対応(純正)マフラーが付いているか?
- フォークオイルの漏れは無いか?
- オイル滲みは無いか?
- ベルトに切れ・劣化は無いか?
- ローター(ディスク) に不自然な傷は無いか?
- 連結管に劣化は無いか?
ハーレーのダイナモデルは2017年を最後に生産終了となっています。
今後は中古価格の上昇が予想されます。
今はまだ流通数も多く、低走行の状態の良い車両を選びやすい市場環境と言えます。
手の届く金額で購入出来る今がチャンスではないでしょうか?
中古のダイナモデルを購入する時は、本記事のチェックポイントを抑えれば状態の良い車両を選ぶことが出来ます。
加えてダイナはビックツインの中でもメンテナンス性に秀でたモデル。
しっかりメンテナンスをすれば長く乗ることが出来ますよ。
もちろん他のモデルとの比較もするべきですが、ダイナモデルはバランスの取れた魅力的なオートバイだと思います。
>>2024年モデル・ハーレーダビッドソンの新車の車種一覧と特徴【試乗レビューあり】
ぜひダイナモデルを候補のひとつにされてはいかがでしょうか?
そして、もし今お乗りのバイクからお乗り換えを考えているのであれば、なるべく早い時期のほうが良いと思います。
- 世界的インフレによる新車バイク価格の高騰
- 近年の中古バイク価格相場の高騰
- 排ガス規制の強化で生産中止になるモデルが増える
本記事で紹介したストリートボブ(FXDB)をはじめ、ダイナモデルは2017年を最後に生産終了となっています。
もう新車が手に入らないこともあり、少しずつ中古車価格が上昇しています。
(生産中止になった車体は、中古なのに新車価格以上の値段で販売されているケースも多々あります。)
そして売却の際もディーラーでの下取り申し込むのは避けたほうが良いです。
取り扱っているメーカー以外は買い取り額が低い傾向があります。
一度バイク買い取り業者に査定してもらうのも賢い方法だと思います。
そうは言っても、いきなり買い取り業者に持っていくのはハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。
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今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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