ハーレーのエンジンを始動するとき、警告灯を確認していますか?
その中でもエンジンチェックランプは警告灯の中で最も重要なランプです。
エンジンチェックランプが点灯している場合、何らかのトラブルが発生しています。
そんな時に役に立つのが自己診断モードです。
これを覚えておけば、不具合の状態を伝えやすいのでバイク屋さんとのやり取りもスムーズに出来ます。
ハーレーを所有していて、覚えて損は無い知識ですよ。
では行ってみましょう。
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※本記事は非CANBUSモデルの警告灯のチェック・自己診断モードの操作の紹介です。
- ツーリングモデル:2013年式まで
- ソフテイル:2010年式まで
- ダイナ:2011年式まで
- スポーツスター:2013年式まで
- ストリート:2014年式まで
ハーレーはエンジンチェックランプの点灯パターンで異常を判断する
警告灯・エンジンチェックランプの確認のやり方
- キーを回す。(イグニッション ON)
- スタートスイッチは押さずに、エンジンチェックランプの点灯パターンを確認する。
通常のエンジンの始動の流れと一緒です。
エンジンチェックランプの点灯パターン
エンジンチェックランプの点灯パターンは3種類です。
エラーなし
- キーをON
- エンジンチェックランプが4秒点灯
- 消灯する
この点灯パターンは、現在も過去もエラーが無い状態。
過去にエラー履歴あり
- キーをON
- エンジンチェックランプが4秒点灯
- 4 秒間消灯
- 再び 8 秒間点灯
- 消灯する
この点灯パターンは、すでにエラーは解決済みで現在はエラーが無い状態。
最後にエラーを検知してから50サイクル目に履歴が消えます。
51サイクル目からは『エラーなし』の点灯パターンに戻りますよ。
現在もエラーあり
- キーをON
- エンジンチェックランプが4秒点灯
- 4 秒間消灯
- 8 秒間以上点灯したままで消灯しない
この点灯パターンは、何らかのエラーがある状態。
自己診断モードを起動してエラーの内容(エラーコード)を調べましょう。
ハーレーの自己診断モードのやり方
自己診断モードは、一度バイクのキーをOFFにしてから起動させます。
自己診断モードの起動手順
- キルスイッチはRUN の状態
- スタートスイッチはONにしない(エンジンは起動しない)
- バックライトが点灯する
- ゲージの針がフルレンジで振れる
- 一度すべてのインジケーターランプが点灯する
- 液晶モニターに『dlAg』と表示される(車種によって文字の構成が異なる)
- 液晶モニターに『PSSPtd』と表示される(車種によって文字の構成が異なる)
- 表示されない場合はスピードメーターの異常が疑われる
自己診断モードの頭文字の意味
トリップオドメーターを1回押すたびに【P】→【S】→【SP】→【t】→【d】の順に頭文字が点滅してモジュールが切り替わります。
PSSPtb
- 【P】パワートレイン(ECMモジュール)
- 【S】セキュリティモジュール
- 【SP】スピードメーター
- 【t】タコメーター
- 【b】ブレーキ (ABS)
タコメーターが搭載されていない車種は【t】が表示されないパターン(PSSPb)もあります。
筆者のダイナ・ストリートボブはタコメーター非搭載車なのに【t】が存在します。
各モジュールのエラーの確認のやり方
確認したいモジュールの頭文字を点滅させて、トリップオドメーターを5秒長押しします。
※該当するモジュールが無い場合は『no rsp(ノーレスポンス)』と表示される。
筆者のダイナ・ストリートボブにはタコメーターとABSが搭載されていないので【t】と【b】が『no rSP』です。
自己診断モード:エラーなし
『nonE』(なし)が表示される
モジュールの部品番号が表示される
例:Pn 328
『PSSPtd』(トップ画面)に戻る
自己診断モード:エラーあり
エラーコードが表示される。
例:b1007(アクセサリー回路の過電圧)
エラーコードを消したいときは、もう1度トリップオドメーター5秒押す。
『End』(なし)が表示される
※さらにエラーコードがあれば表示される
モジュールの部品番号が表示される
例:Pn 328
『PSSPtd』(トップ画面)に戻る
ハーレーのエラーコードの種類
エラーコードは年式によって異なる
ハーレーはCANBUSモデルと非CANBUSモデルでエラーコードが異なります。
- ツーリングモデル:2013年式まで
- ソフテイル:2010年式まで
- ダイナ:2011年式まで
- スポーツスター:2013年式まで
- ストリート:2014年式まで
CAN-Bus(Controller Area Network バス)
CANBUSとはコンピュータで普及しているイーサネットLANに近いコンセプト。“BUS”は共用する信号線という意味。 車両のデータを送受信する為の規格で、現在では多くの車やバイクで採用され始めている。
一部引用:ハーレーカスタム&用品 hd-parts.jp
エラーコード一覧
本記事では非CANBUSモデルのエラーコードを紹介します。
優先順位 | エラーコード | 障害の状態 |
---|---|---|
1 | 「BUSEr」 | シリアルデータバスのアースへの短絡/断線/高電圧 |
2 | U1300 | シリアルデータバスの短絡、低電圧 |
3 | U1301 | シリアルデータの短絡/断線/高電圧 |
4 | U1016 | ECM(電子制御モジュール)シリアルデータなし |
5 | U1064 | TSM/TSSM(ターンシグナルモジュール/ターンシグナルセキュリティモジュール)シリアルデータなし |
6 | U1255 | 始動時に他のモジュール(TSM/TSSMまたはECM)からの応答なし |
7 | B1007 | イグニッション回路の過電圧 |
8 | B1006 | アクセサリー回路の過電圧 |
9 | B1008 | リセットスイッチの閉固着 |
10 | B1004 | フューエルレベルセンディングユニット低電圧 |
11 | B1005 | フューエルレベルセンディングユニット高電圧/断線 |
CANBUSモデルは同じ内容でもエラーコードが異なります。
エラーコードが残っているパターン
エンジンチェックランプは消灯している。
でも診断モードを起動するとエラーコードが表示されてしまう。
筆者のストリートボブがまさにそれで、エラーが無いはずなのにエラーコードが出てしまいました。
エラーコードが出てしまう理由
お世話になっているバイク屋さんに確認したところ、
『過去のエラーコードが消えずに残っているだけ』とのこと。
例えば、
- バッテリーが上がった
- バイクを転倒させた
何かの拍子にエラーコードが刻まれることもあるみたいです。
>ハーレーのバッテリー上がり【寿命と交換時期を見極める方法を紹介】
正常な場合はエラーコードは消える
エラーコードをリセットしてみましょう。消えるはずです。
- エラーコードが表示されている画面でトリップオドメーター5秒押す。
- 『CLEAr』と表示されれば消去成功
筆者も上記の操作でエラーコードの表示が消えました。
本当にダメな時は警告灯類が消えないそうです。
警告灯の意味だけでも覚えておきたい
ハーレーってどうしても故障のイメージが付きまとうので、警告灯が付くと不安になりますよね。
筆者もエラーコードが出たときは『ついに来たか』と思いました。
とはいえ、正しい知識を持っていればそれほど身構えることありません。
>ハーレーが壊れやすいのは過去の話【故障とトラブルのイメージがついた理由を解説】
>ハーレーの日常点検【ツーリング前にやる最低限の6つの整備】
今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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