ハーレーのビッグツインモデルは『エンジンオイル』『ミッションオイル』『プライマリーオイル』それぞれ別のオイルが必要です。
本記事ではミッションオイルの交換のやり方を紹介します。
先日ミッションオイル交換をしましたが、久しぶり過ぎてやり方を忘れていました。
良い機会だったので、じっくりサービスマニュアルを読んで勉強し直しました。
本記事では誰がやってもミッションオイル交換が出来るように、丁寧に順を追ってやり方を紹介していきます。
では行ってみましょう。
ハーレーのミッションオイル交換時期・頻度
サービスマニュアルには『交換頻度は32000kmに1回』と記載
サービスマニュアルにはトランスミッションオイルは32000kmに1回を推奨と記載されています。
でもネットで調べてみると『6000kmに1回』とか『1年に1回』って書いてあるサイトもあるんですよね。
米国基準とはいえサービスマニュアルに間違いは無いはずですが……
筆者が考えるミッションオイル交換頻度の最適解
もう何が正しいのかわからないですよね。
そこで筆者の経験則をもとに、お話しします。
結論から言うと『距離に関係なく車検毎(2年/回)の交換』 がオススメです。
距離に関係なく車検毎(2年/回)の交換を推奨する根拠
少し前に3年間で15000km走行したタイミングで、ミッションカバーを開けてみました。
写真のようにミッションオイルに汚れは見られません。
エンジンオイルほど過酷な環境下で使われていないのも、要因の1つではないでしょうか。
上記の理由からミッションオイル交換は32000km毎で問題無いと考えます。
とはいえバイクに乗る頻度が低いと32000kmなんて、なかなか到達しませんよね。
筆者は距離に関係なく車検毎(2年/回)の交換が落としどころではないかと考えています。
※あくまで筆者の経験則によるものなので、参考程度にお願いします。
車検の度に交換すれば、忘れ防止にもなりますよ
ハーレーのミッションオイル交換に使うもの
最低限、必要な物に絞って紹介していきます。
ミッションオイル交換に必要な工具
エンジンオイル交換に最低限必要な道具は以下の4点です。
- 5/8ソケット
- ラチェット
- 3/8ヘキサゴン(六角レンチ)
- バイクジャッキ
TC96ダイナのミッションオイルのオイルドレンは、車体右側に下向きに取付けられています。
困ったことに、少し奥まったところに取付けられているのでスパナが入らない。
なので、ミッションオイルの交換にはラチェット +5/8ソケットが必要です。
ちなみにダイナモデルはマフラーを外さないでミッションオイルの交換が出来ますよ。
ハーレーの整備に必要な工具【最低限これだけ買っておけば十分】
ミッションオイルに交換に必要な道具
エンジンオイル交換に最低限必要な道具は以下の5点です。
- トランスミッションオイル(85W140)_ 1本
- 漏斗【間口が10cm×10cm】
- 廃油パック
- シールテープ
- Oリング
ミッションオイル交換で、廃油は1Lも出てきません。
これだけに廃油パックを1つ使ってしまうのはもったいない。
ついでに他の部位のオイル交換も一緒にやってしまうのがオススメです。
筆者はエンジンオイル・ミッションオイル・プライマリーオイルを1つの廃油パックにまとめて廃棄していますよ。
ハーレーの3種のオイル交換手順【ツインカムダイナを例に頻度・使用量・やり方を紹介】
ハーレーのミッションオイルの交換手順
ミッションオイルの交換手順は5工程に分かれます。
古いミッションオイルの抜き出し
エンジンの暖気
ミッションオイルの粘度はそれほど高く(固く)ありません。
それでもエンジンを温めたほうが、しっかり古いオイルが抜けるので確実です。
筆者はエンジンオイル交換のついでにやるようにしていますよ。
ジャッキアップ
ツインカムダイナは、ミッションオイルのオイルドレンが下向きに付けられています。
車体をジャッキアップさせないと、ドレンボルトの取り外しがやりづらいです。
車用のパンタジャッキでも対応できますが、バイク専用ジャッキをオススメします。
他の整備でも使いますし長期的に考えてジャッキは揃えておきたい工具の1つです。
古いオイルを抜き出す
ドレンボルトは車体の右側からアクセスします。
ラチェットを使って手で回せるくらいまで、ボルトを緩めます。
手で回せるくらい緩めたら、廃油パック内にドレンボルトを落とさないように注意しながら外します。
ドレンボルトを外したら、3/8ヘキサゴン(六角レンチ)でオイルフィラーキャップを緩めます。
フィラーキャップを開けると、オイルが抜けやすくなりますよ。
この時、必ずドレインボルトを外してからフィラーキャップを緩めましょう。
逆の順番でやるとドレンボルトを外した時に、勢い良くエンジンオイルが飛び出してきます。
新しいオイルを入れる前段取り
ドレンボルト清掃
廃オイルが付いたドレンボルトを、パーツクリーナーで清掃していきます。
この時に、交換前に付いていたOリングとシールテープは廃棄して、新しいOリングを使いましょう。
ドレンボルトの先端には磁石が付いていて、オイルの中の鉄粉を付着させてトランスミッションを傷から守っています。同じサイクルで交換していて、いつもより多量の鉄粉が付着していたり大きな金属片が付着していたらトランスミッション内で何らかの問題が発生しているかもしれません。すぐにバイク屋さんに診てもらいましょう。
Oリングとシールテープの取り付け
シールテープは巻かなくてもオイル漏れはしませんが、巻いていた方が安心です。
- シール性の向上
- ネジ山の保護
ドレンボルト自体は大した金額ではありません。
しかし車体側のネジ山が舐めてしまうと、高額な修理費が発生するので予防に越したことは無いです。
ドレンボルト取付け
オイルが完全に抜けきったら、 締め込めるところまでは手でドレインボルトを絞め込みます。
- 途中でネジの締め付けに違和感があったら直ぐ止める
- 最初から工具を使って締めると、ネジ山が破損する
ドレンボルトの規定トルクは19.8N~20.8Nに指定されています。
なお筆者はトルクレンチを使った事がありません。
手で絞められるだけ締めて、最後に少しだけ工具で増し締めしています。
オイルを抜くときにドレンボルトを緩めても、なかなかオイルが出てきませんでしたよね。
なので、少し緩いくらいでオイルは漏れません。
締めすぎてネジ山が壊れるほうが怖いです。
新しいミッションオイルを入れる
サイドスタンドをかけた状態でオイルを入れる
ミッションオイルの液面確認はサイドスタンドをかけた状態で行います。
サイドスタンドをかけて投入しましょう。
奥まった場所に投入口があるので、漏斗を使えば漏洩のリスクを減らせます。
筆者が使っている漏斗はダイソーで購入した【間口が10cm×10cm】の料理用漏斗です。
バッテリーカバーを外す必要がありますが、投入口にピッタリ。
専用の治具も販売されていますが、ちょっと高いんですよね。
ミッションオイルの使用量は1クオート
ツインカムダイナは、1クオート(1本)から少し余るくらいが規定量です。
古いオイルをしっかり抜けばもっと入るかもしれません。
なので、液面を確認しながら少しずつ追加した方が無難です。
ミッションオイルの液面確認方法
- 平らな場所でサイドスタンドをかける
- フィラーキャップをねじ込まずに行う
フィラーキャップは『ねじ込まずに、被せるだけ』で液面を確認します。
ここがエンジンオイルとは違うところですね。
ミッションオイルの液面目安
ミッションオイルの液量は、ディップスティックの先端ゲージのFとAの間を見て、ゲージの半分より上にオイル液面ラインが来ていればOKです。
なおフィラーキャップの締め付けトルクは、特に指定されていません。
エンジンオイルのフィラーキャップが手締めでOKなので、ミッション側も手で締められるだけ締めて最後に工具で軽く増し締めするくらいで良いと考えます。
これでミッションオイルの交換は完了です。
ハーレーのミッションオイル交換は自分で出来る
ミッションオイルの交換は手順さえ守れば、それほど難易度は高くない作業です。
しかし頻度も高くないのが難点。
毎回思い出しながらの作業になってしまいます。
自分で整備するメリットは普段見えないところにも目が行き、車体トラブルの予兆を発見しやすいところです。
本記事を参考に、ぜひミッションオイルの交換にチャレンジしていただきたいです。
今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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