ハーレーダビッドソンは大型免許が無いと乗れないと思っていませんか?
実は1台だけ中免で乗れるハーレーがあるんです。
それは『ハーレーダビッドソンX350』というモデルです。
排気量が353ccの正真正銘、普通自動二輪免許で乗れるハーレーです。
正直言ってしまうと、昔からの伝統的なハーレー像を求める人にはオススメしません。
空冷大排気量Vツインの伝統的なハーレーとは全く異なるバイクです。
とはいえ、
- いきなり大きいハーレーは怖い
- スポーツスターモデルも選択肢にある
- 街乗り~ツーリングまで幅広く使いたい
そんな方に刺さるバイクと考えます。
個人的には過去に販売されていたXR1200を思わせるデザインがすごく好きです。
本記事では話題になっているX350の特徴を現ハーレーオーナーの目線で解説します。
では行ってみましょう。
ハーレーダビッドソンX350のスペック
項目 | スペック |
---|---|
エンジン | 水冷式、パラレルツイン、353cc |
車両重量 | 195kg |
シート高 | 777mm |
タイヤ、フロント仕様 | 17インチ:120/70-ZR17/58W |
タイヤ、リア仕様 | 17インチ:160/60-ZR17/69W |
フューエルシステム | インジェクション |
最高出力 | 27kW(約36馬力) |
最大トルク | 9,000rpm |
燃費 | 20.2km/L(WMTC) |
燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 13.5リットル |
X350のエンジン
X350は353ccの水冷並列2気筒DOHC4バルブエンジンを採用しています。
低回転でトルクで走る従来のハーレーのエンジンとは異なり、高回転域で力を発揮するエンジンです。
X350はアクセルを捻れば10,000rpm以上まで一気に吹け上がりますよ。
X350の燃費
X350はハイオク仕様で、燃費は約20km/Lです。
燃料タンクが13.5Lなので満タン給油すれば理論上は270km走ります。あくまで理論上は。
筆者の所有するFXDBも満タン給油すれば理論上300km以上走りますが、実際は250kmも走れません。
なので1回の給油で200km程度と考えるのが無難です。
給油ランプが付くのは精神衛生上良くないですからね。
ハーレーダビッドソンX特徴
モデル | Xシリーズ | スポーツスター | ビッグツイン |
---|---|---|---|
外観 | |||
排気量 | 355cc・500cc | 975cc・1,252cc | 1,868cc他 |
エンジン | 水冷並列2気筒 | 水冷60度Vツイン | 空冷90度Vツイン |
販売価格 | ¥ 699,800~ | ¥ 1,778,800~ | ¥ 2,549,800~ |
実際に試乗した方からは「エンジンのレスポンスが良く、加速がスムーズ」という意見が多いです。
このことから空冷大排気量Vツインの伝統的なハーレーとは全く違ったバイクであることが伺えます。
大排気量のハーレーでは難しかった日常の通勤から週末のツーリングまで幅広いシーンでの使用できるのがX350の強みですね。
ハーレーダビッドソンXの車種一覧
モデル | X350 | X440 | X500 |
---|---|---|---|
外観 | |||
排気量 | 355cc | 440cc | 500cc |
エンジン | 水冷並列2気筒 | 空油冷単気筒 | 水冷並列2気筒 |
販売国 | 中・豪・日 | インド | 中・豪・日 |
販売価格 | ¥ 699,800 | 日本販売未定 | ¥ 839,800 |
インド生産のX440のみ日本未発売となります。
日本で購入できるのはX350とX500の2車種です。
X350のポジションはネイキッドバイクに近い
X350のカテゴリーはフラットトラックレーサースタイルのスポーツモデルに該当します。
ステップが後方にあるので、ライディングポジションはネイキッドに近いです。
フォアコンやミッドコンが主流のハーレーがバックステップを採用したのには驚きました。
X350はXR750のオマージュ
X350は今から約50年前に販売されていたXR750のオマージュしたモデルです。
XR750は1970年代に製造されていたレーシングバイクです。
あまりレースのイメージがないハーレーですが、XR750は日本車や英車と優勝を争うほどの性能を誇っていました。
未舗装のダートコースや舗装路のサーキットで競われるロードレースでも活躍しました。
X350の競合車種
X350が属する排気量400cc以下のカテゴリーは競合車種が多いです。
X350 | CL250 | スクランブラー | METEOR 350 | Cromwell 125 |
---|---|---|---|---|
ハーレーダビッドソン | 本田技研工業 | ドゥカティ | ロイヤルエンフィールド | ブリクストン |
CL250
CL250は人気車種であるレブルのスクランブラーモデルです。
モデル | X350 | CL250 |
---|---|---|
外観 | ||
製造メーカー | ハーレーダビッドソン | 本田技研工業 |
排気量 | 355cc | 249cc |
エンジン | 水冷並列2気筒 | 水冷単気筒 |
燃費 | 20.2km/L | 47.0km/L |
製造国 | 中国 | タイ |
販売価格 | ¥ 699,800 | ¥ 621,500 |
250ccモデルなので車検が無いのが魅力です。
スクランブラーSixty2
ドゥカティの人気モデル、Scramblerの400ccモデルです。
モデル | X350 | スクランブラーSixty2 |
---|---|---|
外観 | ||
製造メーカー | ハーレーダビッドソン | ドゥカティ |
排気量 | 355cc | 399cc |
エンジン | 水冷並列2気筒 | 空冷L型2気筒 |
燃費 | 20.2km/L | 47.0km/L |
製造国 | 中国 | タイ |
販売価格 | ¥ 699,800 | 生産終了(2020年) |
大排気量モデルのイメージが強いドゥカティですが、中免で乗れるモデルもあるんです。
METEOR 350
モデル | X350 | METEOR 350 |
---|---|---|
外観 | ||
製造メーカー | ハーレーダビッドソン | ロイヤルエンフィールド |
排気量 | 355cc | 349cc |
エンジン | 水冷並列2気筒 | 空冷単気筒 |
燃費 | 20.2km/L | 35.84km/L |
製造国 | 中国 | インド |
販売価格 | ¥ 699,800 | ¥ 710,600 |
近年勢いのあるロイヤルエンフィールドの人気車種のひとつです。
ホンダのGB350をはじめ、クラシカルなモデルが人気ですよね。
Cromwell 125
モデル | X350 | Cromwell 125 |
---|---|---|
外観 | ||
製造メーカー | ハーレーダビッドソン | ブリクストン |
排気量 | 355cc | 125cc |
エンジン | 水冷並列2気筒 | 空冷単気筒 |
燃費 | 20.2km/L | 21・7km/L |
製造国 | 中国 | 中国 |
販売価格 | ¥ 699,800 | ¥ 495,000 |
Cromwellはオーストリアの新興メーカー、ブリクストンのバイクです。
125ccなのでファミリーバイク保険が適用されるのも魅力ですよね。
X350は中国製
ハーレー社はアジア事業を強化し、米国以外の販売を現在の4割から27年に5割に引き上げる考えです。
今回のXシリーズはその足掛かりと考えます。
X350は中国のQJ MotorcycleのOEM
X350は中国のQJ Motorcycle(浙江銭江摩托)と生産委託契約を結んで製造されています。
そして、X350のベースとなるのがQJ Motorcycleが所有するイタリアブランドのベネリ「302S」です。
中国メーカーがイタリアブランドとしていて生産しているバイクをベースにアメリカのハーレー社のバイクを製造している……
もはやどこの国のバイクかわかりませんよね。
今後もアメリカ本国以外での生産が増える
ハーレー社は成長市場であるアジア地域の開拓に向け、現地メーカーと組んで若い人や初心者向けの250~400ccクラスの中小型車を増やしていく戦略取っています。
なぜなら、米国など先進国で若者の二輪車離れが進んで販売が低迷しているからです。
株価も低調ですよね。
このような背景もあり、今後もアジア市場を意識した小型車種が多くリリースされるのではないでしょうか。
400cc以下のX350は中免でハーレーに乗れる唯一のバイク
冒頭にも述べたように、X350は昔からの伝統的なハーレー像を求める人にはオススメしません。
空冷大排気量Vツインのハーレーとは全く異なるバイクですからね。
とはいえ、排気量の小ささと操作性の良さも相まって乗り手を選ばないのがX350の良さでもあります。
ハーレーの入門編としては最適なバイクと考えます。
乗っているうちにもっとパワーが欲しくなったら、下取りに出してスポーツスターやビッグツインに乗り換えを検討しても良いと思います。
もちろん気に入ったらそのまま全然乗り続けるのもアリです。
それと、X350を買うなら出来るだけ早いほうが良いと思います。
- 今後資材や人件費の上昇が続く可能性が高い
- X350は販売台数を伸ばすための戦略的価格設定にしている
きっと販売価格が上がることがあっても下がる可能性はほぼ無いと思います。
X350を入り口に他の高価格帯のハーレーを購入して欲しい戦略でしょうから、急に販売価格を吊り上げるのは考えにくいですが……
もし乗り換えの際はディーラーに下取りを出す前に、ネットで相場を調べてからにしましょう。(これを怠るとだいぶ損します。)
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今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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