ハーレーダビッドソンの車種は、大きく分けていくつかのシリーズに分類されています。
そしてそれぞれに異なる特徴があります。主なシリーズは以下の8つです。
- スポーツスター
- ソフテイル
- ツーリング
- ダイナ
- Vロッド
- Xシリーズ
- アドベンチャー
- ストリート
生産終了しているシリーズもありますが、まだ手に入れやすいモデルに絞りました。
本記事ではハーレーのバイクの特徴を解説していきます。
スポーツスター
ハーレーの数あるモデルの中でも、スポーツスターは絶大な人気を誇ります。
2000年モデル | 2024年モデル | |
---|---|---|
外観 | ||
エンジン | 空冷 | 水冷 |
販売価格 | ¥ 883,000~ | ¥ 1,888,800~ |
昔は空冷スポーツスターが88万3000円から買えていた時代もありました。
今は排ガス規制を受け空冷モデルは2022年モデルを最後に生産中止。
新たにリリースされた水冷モデルも200万円近い値段になってしまいました。
スポーツスターモデルの良いところ
軽くて扱いやすい
スポーツスターシリーズの魅力は、コンパクトさと軽さです。
水冷モデルになりラジエーターが付いた分重量は増えましたが、それでも200kg台前半に抑えられています。
重さが抑えられているから、初心者や筋力に自信の無い人でも安心して扱えるのも魅力。
街中をスイスイ走るのはもちろん、高速道路でもしっかり走ってくれます。
「ハーレーって重いんじゃないの?」と思ってる人にはスポーツスターがオススメです。
カスタムの自由度が高い
スポーツスターはカスタムの自由度が高いの特徴です。
ボバー、チョッパー、カフェ……本当に何でもいける。
これは人気があるモデルゆえ社外品も含め多種多様なカスタムパーツが流通しているためです。
ただし水冷モデルは、リリースされて日が浅いのもありアフターパーツが少ないです。
スポーツスターモデルの弱点
長距離ツーリングに弱い
「スポーツスターは長距離ツーリングには向いていない」
よく言われますが、カスタム次第なのでは?と筆者は考えます。
スポーツスターのカスタムで人気があるのが以下のようなボバーやカフェスタイルです。
カッコいいですよね。
いっぽうで薄いシート、窮屈な乗車ポジション、何より積載性ゼロ……。
長距離ツーリングには向いていないと言えます。
このスタイルでサドルバッグを付けてしまうとバランスが崩れて台無しなんですよね。
とはいえ、カスタムの方向性次第では長距離ツーリングも十分こなせます。
なので『スポーツスターは長距離ツーリングに弱い』は間違っていると考えます。
二人乗りには向かない
写真のようにスポーツスターでの二人乗りはだいぶ窮屈です。
さらにシートの面積が小さく、薄いタイプが主流なので後ろに人を乗せて長い距離を走行するのには向きません。
ちょっとした街乗りは良いと思いますが、二人乗りをメインに考えている人にはオススメしません。
ソフテイル
スポーツスターと並ぶ人気を誇るのがソフテイルシリーズです。
特徴はリジット(サスペンションが無い)のように見えるスタイリング。
2018年にツインカムからミルウォーキーエイトに移行したのに合わせて、フレーム構造も変更されました。
ツインカム【~2017年】 | ミルウォーキーエイト | |
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外観【例:ファットボーイ】 | ||
排気量 | 1,689cc | 1,868cc |
サスペンション位置 | フレーム下 | シート下 |
ソフテイルモデルの良いところ
豊富なモデル数
ソフテイルは2つのモデルに分かれています。
FLモデル | FXモデル |
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太いタイヤを装備したファットなスタイル | 細く大径のタイヤを装備した細身のスタイル |
例えばヘリテイジクラシックは前後16インチの太いタイヤを履いたクラシックな雰囲気の一台。
人気のブレイクアウトは大径の細いタイヤをフロントに装着しています。
同じソフテイルシリーズでも全然違いますよね。
カスタムの幅が広い
ソフテイルシリーズはスポーツスターと同様、人気モデルなので社外品も含め多種多様なカスタムパーツが流通しています。
ハイテク系からクラシック系まで幅広いカスタムが可能です。
ハーレーに詳しくない人が見たらヘリテイジとブレイクアウトが同じシリーズと知ったら驚きますよね。
ソフテイルモデルの弱点
取り回しが大変
ソフテイルシリーズのデメリットのひとつが、取り回しが大変なところ。
その原因が車体重量と広いホイールベースです。
エンジン | Milwaukee-Eight™ 114 |
排気量 | 1,868cc |
燃料タンク容量 | 18.9L |
全長・重量 | 2415mm・ 332kg |
ホイールベース | 1630 mm |
走り出してしまえばしっかりした安定感がありますが、駐車場での取り回しや低速走行時に少し扱いにくいと感じることがあるかもしれません。
初心者や体力に自信がない方には、ちょっとハードルが高いかもしれませんね。
バンク角が小さい
ソフテイルシリーズは車高が低めに設計されています。
それがカッコ良さがのひとつでもありますが、同時にバンク角がだいぶ削らてしまっているんですね。
ちょっと気を抜くと簡単にマフラーを擦ります。
とはいえ、最近は車高を上げるカスタムが確立されています。
0.5インチ上げるだけ全然違うのでバンク角が気になる方にオススメのカスタムです。
ツーリング
『長い距離を快適に走る』がテーマのハーレー社のフラッグシップモデルです。
これまでエンジンやフレームに変更がありましたが、昔からの伝統的なスタイルをずっと維持してきました。
昔からの伝統的なスタイルを守り続けているんですね。
1960年代 | 現行モデル | |
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外観 | ||
エンジン | パンヘッド | ミルウォーキーエイト |
排気量 | 1200cc | 1,745 cc |
ツーリングモデルの良いところ
長距離ライディングにピッタリの快適性
ツーリングモデルの一番の魅力は、やっぱりその快適性ではないでしょうか。
もともとツーリングモデルは広大なアメリカの大地を駆け抜けるのに特化した設計をされています。
モデルにもよりますが、代名詞の大型のフェアリングは本当に快適です。
風を防いでくれるので長い距離を走った時の疲れが全然違います。
筆者のダイナストリートボブはポジション的に風を全身で受け止めるので、フェアリングに憧れます。
荷物がたっぷり積める収納力
ツーリングモデルのもう一つの大きな魅力は、その豊富な収納スペースです。
ほとんどのハーレーは積載スペースが皆無ですからね。
しかもカスタムのスタイルによってはサドルバッグとの相性が悪い。
それに対してツーリングモデルはサドルバッグやトップケースが標準装備されています。
ロングツーリングが多い人に適したモデルと言えます。
ツーリングモデルの弱点
車体の重さ
ツーリングシリーズの最大の弱点……見たまんまですが重量です
長距離ツーリングを快適にするための装備のせいで、どうしても車体が重い……
例えば駐車場。
未舗装だったり、傾斜がついているともう地獄です。
よっぽど体力に自信のある人じゃないと脱出は不可能ではないでしょうか。
バックギアを取り付けている人が多いのも納得です。
市街地での使い勝手がイマイチ
ツーリングシリーズは長距離ツーリングにはうってつけなんですが、市街地はちょっと苦手です。
大きくて重い車体だと、交差点でのストップアンドゴーはストレスですし、すり抜けも難しい。
もっともすり抜けはグレーゾーンですが。
ダイナ
ビッグツインエンジンを搭載したFLと運動性能の高いスポーツスターXLのフレームを組み合わせて誕生したのがダイナモデルのルーツです。
ダイナは、ビッグツインモデルの中では車格がスリムで取り扱い易いのが特徴です。
残念なことにダイナモデルは、2017年を最後に生産終了となってしまいました。
どうしてもダイナモデルが欲しい場合は中古車を探すしかありません。
ダイナモデルの良いところ
ユーティリティ性の高さ
ダイナモデルの強みはユーティリティ性の高さです。
パワフルなビッグツインエンジンを搭載していて、ツーリングモデルのような重量感はありません。
取り回しもしやすく、街乗りから長距離まで幅広く対応できるのも利点です。
伝統的なスタイリング
ダイナモデルの特徴はツインショックのリアサスペンションです。
最近はモノサスの三角フレームが主流になっているので、ダイナの四角フレームはよりクラシック感を漂わせています。
ダイナモデルの弱点
振動が大きい
ダイナモデルは他のビッグツインモデルに比べて振動が大きいです。
振動が大きい理由は以下の2つによるものです。
- リアサスペンションが剛性の高いフレームに直付けされている
- エンジンがラバーマウント方式(フレームにゴムを介してマウントする方式
エンジンの振動はハーレーの魅力のではありますが、人によってはこの振動が不快に感じるかもしれません。
いちおうエンジンの回転数が上がれば振動が収まるように設定されているので、実際に試乗してみると感覚が掴みやすいと思います。
とはいえ、もう新車が販売されていないので試乗は難しいのが現状ですね。
カスタムの幅が狭い
ダイナはもともとファクトリーカスタムとして販売されたモデルです。
言ってしまえばノーマルの状態である程度完成しているので、カスタムしてもふり幅が狭い。
ソフテイルに比べるとカスタムの自由度は落ちます。
悪い言い方をしてしまうと、どこまで行ってもダイナなんです。
とはいえ、筆者はダイナのスタイルが好きで購入したので後悔はありません。
Vロッドモデル
ハーレーダビッドソン創業100周年に合わせてリリースされたのがVロッドシリーズです。
ハーレー初の水冷エンジンであるドイツのポルシェ社の共同開発した水冷60°Vツインの『レボリューションエンジン』を搭載。
これまでのハーレーとは一線を画す先鋭的なスタイルで話題になりました。
しかし、販売台数は伸びず残念ながら2017年モデルを最後に生産中止となってしまいました。
皮肉なことに時代が追いついたのか、いま中古車価格が高騰しているんですよね。
V-RODモデルの良いところ
パワフルなエンジン性能
V-RODシリーズの最大の特徴は、ポルシェと共同開発された水冷式の「Revolution」エンジンです。
これはハーレーの中でも特にパワフルで、他のモデルにはない圧倒的な加速感を提供します。
空冷ビッグツインエンジンを搭載した従来のハーレーと比較すると、V-RODは高回転域までスムーズに回り0-100km/hの加速も非常に速い全く特性の異なるエンジンです。
ハイテク系カスタムに適している
V-RODは、ハーレーの中でも異彩を放つ、近未来的なデザインが魅力です。
他のハーレーモデルがクラシックなデザインを重視する一方、V-RODはスポーツバイクやドラッグレーサーの要素を取り入れたユニークなスタイルが特徴です。
ハイテク系カスタムと相性が良く、伝統的なハーレーから一歩進んだデザインを求める人に人気があります。
Vロッドモデルの弱点
伝統的なハーレーを求める人には向かない
Vロッドモデルに従来のハーレーらしさはありません。
きっと何もバイクに知識が無い人に「これハーレーだよ」と言ったら驚かれると思います。
そして「ハーレーといえば空冷Vツイン」という固定観念が強い人はV-RODに否定的です。
とはいえ、たまにいる「エボ以降はハーレーじゃない」と言っている人と似たようなものです。
気にする必要はありません。
カスタムパーツが限られている
ハーレーの魅力であり特徴のひとつが、年式とモデルを跨いだパーツの流用のしやすさです。
いっぽうVロッドモデルは、その独特のデザインと構造からパーツの流用がほとんど出来ません。
Vロッドモデル限定となると流通しているパーツも少なく、カスタムの自由度が制限されます。
そうした背景もあり、Vロッドシリーズのカスタム費用は高額になりやすいです。
その他のハーレー
ハーレー Xシリーズ
- コンパクトで軽量: ハーレーの中でも特に軽量で取り回しがしやすい設計。
- 普通免許で乗れる: X350は普通免許で乗れる。
- 手頃な価格: 初めてのハーレーとして手が届きやすい価格帯。
- 扱いやすさ: 小回りが利き、都市部での利用に最適な操作性。
- 低燃費: 日常の足として使いやすい燃費性能。
アドベンチャーシリーズ
- オフロード対応: 高い地上高と耐久性のあるフレームで、未舗装路も快適に走行可能。
- パワフルなエンジン: 長距離走行や急勾配の登坂も余裕でこなす高出力エンジン。
- 多用途性: 舗装路からオフロードまで、幅広いシチュエーションで活躍できる。
- 高度なサスペンション: 過酷な地形でも安定した走りを提供するサスペンションシステム。
- ツーリング装備: 大容量タンク、サイドケースやトップケースのオプションが充実し、長距離ツーリングにも対応。
ストリートシリーズ
- 軽量で取り回しが良い: 都市部の狭い道や混雑した交通の中でも快適に走行できる設計。
- 快適な乗り心地: 街乗りでの快適性を重視したシートとサスペンション。
- リーズナブルな価格: ハーレーのラインナップの中でも比較的安価で、エントリーモデルとして最適。
- 都市向けのチューニング: 加速力やブレーキ性能が、都市部での走行に適した調整がされている。
初めてのハーレーでも欲しい車種に乗るべき
ハーレーの購入にあたってよく言われるのが維持費の問題です。
実は車種に関係なくハーレーの維持費は国産車と変わりません。
たしかに車体本体価格は国産車に比べると高額です。
その分リセールバリューが良いので、乗らなくなっても手元に多くのお金を残してくれます。
タイヤの持ちも良いし、安価な社外品パーツも多く流通しています。
むしろ国産スーパースポーツバイクのほうがお金がかかりますよ。
自分が乗りたいと思える車種に乗ったほうが絶対に満足感が高いですよ。
もし今お乗りのバイクからお乗り換えを考えているのであれば、なるべく早い時期のほうが良いと思います。
- 世界的インフレによる新車バイク価格の高騰
- 近年の中古バイク価格相場の高騰
- 排ガス規制の強化で生産中止になるモデルが増える
本記事でも紹介した生産中止となったダイナモデルや空冷スポーツスターは中古なのに、新車価格以上の値段で販売されているケースも多々あります。
そして売却の際もディーラーでの下取り申し込むのは避けたほうが良いです。
取り扱っているメーカー以外は買い取り額が低い傾向があります。
一度バイク買い取り業者に査定してもらうのも賢い方法だと思います。
そうは言っても、いきなり買い取り業者に持っていくのはハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。
そんな人にオススメなのがインターネット上での一括査定です。
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今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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