ハーレーの車種を検索をすると『FLSTF』や『FXDL』などアルファベットの略称で表記されることがあります。
とはいえ、アルファベットの略称で型番を言われても、どの車種を指しているのかわかりませんよね。
『ファットボーイ』や『ローライダー』やダメなんですかね?
安心してください。難しく考える必要はありません。
先頭のアルファベット2文字で、どんな車種かイメージできるようになります。
FL系【FL〇〇〇】 | FX系【FX〇〇〇】 | XL系【XL〇〇〇】 |
---|---|---|
前後同じサイズの太いタイヤを装備したファットなスタイル | 前輪が細く大径のタイヤを装備した細身のスタイル | スポーツスターモデル |
誤解されやすいのは、
FL、XL、FXはあくまでスタイルを指すだけであって、モデル名を指すものでは無いこと。
必ずしもFL=ソフテイルモデルでは無いんです。
さらに、もう一歩進んでアルファベットの3文字目を見れば、具体的に車種をイメージできます。
(4文字目以降を把握している人はかなりマニアックな方だと思います。)
本記事では難しいところは省いてハーレーダビッドソンのアルファベットの型番・略称の意味を簡単に説明していきます。
では行ってみましょう。
>>ハーレーダビッドソンの歴代エンジンの種類一覧【歴史と特徴を解説】
本記事では2017年モデルまでについて解説します。2018年モデル以降はソフテイルモデルとダイナモデルの統合を受けてアルファベットの型番の法則が変わっています。
ソフテイルモデルの見分け方
ソフテイルモデルは3文字目以降に【ST】が付きます。
【ST】とはソフテイルフレーム(リジット風の三角フレーム)のことを指します。
※車種によっては【S】のみ場合もあり。
アルファベット表記の略称の例
ソフテイルはFL系とFX系が混在している自由度が高いモデル。
おかげでややこしいんですよね。
FLモデル | FXモデル |
---|---|
太いタイヤを装備したファットなスタイル | 細く大径のタイヤを装備した細身のスタイル |
【例】FLSTC・ヘリテイジソフテイルクラシックを指す略称
FLSTC
- 【FL】前後同じ径の太いタイヤを装備したファットなスタイル
- 【ST】ソフテイルフレーム
- 【C】車種の特徴。ここではクラシックの意味。
【C】の部分は車種によってはカスタムとも解釈されます。
【例】FXSB・ソフテイル・ブレイクアウトを指す略称
FXSB
- 【FX】前輪に大径の細いタイヤを装備した細身のスタイル
- 【S】ソフテイルフレーム ※STのTは省略
- 【B】車種の特徴。ここではブレイクアウトの意味。
【B】の部分は車種によってはブラックとも解釈されます。
主要な車種のアルファベット表記
- FLSTC ヘリテイジ ソフテイル クラシック
- FLSTF ファットボーイ
- FLSTN ソフテイルデラックス
- FXSB ブレイクアウト
- FLSTSB クロスボーンズ
- FXCWC ロッカーC
- FXSTC ソフテイル カスタム
- FXSTB ナイトトレイン
- FXSTD ソフテイル デュース
- FLSTSC ソフテイル スプリンガー クラシック
ダイナモデルの見分け方
ダイナモデルは3文字目以降に【D】が付きます。
【D】とはダイナフレーム(2本サスの四角フレーム)のことを指します。
アルファベット表記の略称の例
ソフテイルと違い『FXD』が付くモデルは、ほぼダイナモデルと考えてOKです。
この「ほぼ」を含めて解説します。
【例】FXDL・ダイナローライダーを指す略称
FXDL
- 【FX】前輪に大径の細いタイヤを装備した細身のスタイル
- 【D】ダイナフレーム
- 【L】車種の特徴。ここではLOWの意味。
キャブ車とインジェクション車が混在した時代は識別のために語尾に【I】のついたFXDLIが存在しました。
【例】FLD・ダイナスイッチバックを指す略称
FLD
- 【FL】前後同じ径の太いタイヤを装備したファットなスタイル
- 【D】ダイナフレーム
- 【-】車種の特徴。ダイナモデルFLを冠するモデルはスイッチバックのみなので省略されている
ダイナファミリーで唯一FLを冠するモデルです。
FL系ダイナの派生車種が販売されなかったこともあり、シンプルな略称となっています。
主要な車種のアルファベット表記
- FXDWG ワイドグライド
- FXD スーパーグライド
- FXDB ストリートボブ
- FXDC スーパーグライド カスタム
- FXDF ファットボブ
- FXDL ローライダー
- FXDX スーパーグライド スポーツ
- FXDXT スーパーグライド Tスポーツ
- FXDLS ローライダーS
- FXDBC ストリートボブスペシャル
ツーリングモデルの見分け方
ツーリングモデルは全車種がファットなスタイルのFLタイプです。
FLに続く3文字目以降のアルファベットによって2つのモデルに分類されます。
違いは搭載されるカウルの形状です。
アルファベット表記の略称の例
FLHモデル | FLTRモデル |
---|---|
ヤッコカウルと呼ばれる定番のカウルを搭載 | ヘッドライトが2つ搭載されたカウルを搭載 |
ヘッドライトが2つ目のタイプがTRと覚えておけばOKですよ。
【例】FLHXS ストリートグライド スペシャルを指す略称
FLHXS
- 【FL】前後同じ径の太いタイヤを装備したファットなスタイル
- 【H】ヤッコカウルと呼ばれる定番のカウルを搭載
- 【XS】車種の特徴。X=グライド、S=スペシャルの意味
【例】FLTRXS ロードグライド スペシャルを指す略称
FLTRXS
- 【FL】前後同じ径の太いタイヤを装備したファットなスタイル
- 【TR】ヘッドライトが2つ搭載されたカウルを搭載
- 【XS】車種の特徴。X=グライド、S=スペシャルの意味
先ほど紹介したFLHXSとの違いは、搭載されたカウルの形状だけなんです。
主要な車種のアルファベット表記
- FLHXS ストリートグライド スペシャル
- FLTRXS ロードグライド スペシャル
- FLHTK TC ウルトラ リミテッド
- FLHR ロードキング
- FLTRU ロードグライドウルトラ
- FLHRC ロードキング クラシック
- FLHTCU TC エレクトラグライド ウルトラ クラシック
- FLHPE ロードキング ポリス
- FLHT エレクトラグライド
- FLHRS ロードキング カスタム
スポーツスターモデルの見分け方
先頭の2文字にXLが付くものは全てスポーツスターモデルです。
アルファベット表記の略称の例
スポーツスターモデルのエンジンは2種類ありますが、排気量に関係なく先頭の2文字にXLが付きます。
エンジン | 883ccモデル | 1200ccモデル |
---|---|---|
外観 | ||
最大トルク | 68Nm/4750pm | 96Nm/3500pm |
違いはパワーのみで、見た目は変わりません。
【例】 XL883N アイアン883を指す略称
XL883N
- 【XL】スポーツスターモデル
- 【883】排気量
- 【N】車種名の識別。モデル名『アイアン』
【例】XL1200X フォーティーエイトを指す略称
XL1200X
- 【XL】スポーツスターモデル
- 【1200】排気量
- 【X】車種名の識別。モデル名『フォーティーエイト』
アルファベットの型番・略称が同じなのに違うハーレーのパターンもある
それほどアルファベットの型番・略称は重要ではないと考えます。
なぜならば……
- 年式で略称が変わる車種がある
- 同じ略称でも意味が違ったり異なる車種を指すパターンがある
何車種か例に解説していきますね。
年式で略称が変わる
人気車種のローライダーを例に説明します。
- ソフテイルモデルのローライダー → FXLRS
- ダイナモデルのローライダー → FXDL
もちろん相手がハーレーダビッドソンの専門家だったらアルファベットの略称で伝わりますが、そういった人は少数。
『ダイナのローライダー』などとモデル名をセットで言ったほうがが相手にも伝わりやすく親切です。
同じ略称で違う車種もある
ハーレーの車種の中には同じ略称で違う車種が存在します。
FXDB → ダイナスタージス(1991年リリース)
FXDB → ダイナストリートボブ(2006年リリース)
略称で言ってしまうと、誤解を招くので注意が必要です。
FXDB(ストリートボブ)に乗っていると言うと、エボダイナに乗っていると誤解されます。
ハーレーのアルファベットの型番・略称は覚える必要は無い
- 【FLST】 前後のタイヤサイズが同じファットなソフテイル
- 【FXST】前輪が細く大径のタイヤを装備した、細身のソフテイル
- 【FXD】ダイナモデル
- 【XL】スポーツスター
自分の車種のアルファベットの型番・略称くらいは覚えておいて損は無いと思います。
とはいえ、相手に車種を伝える場面で略称を使う必要は無いと考えます。
わざわざファットーボーイをFLSTFって言う人は少ないですよね。
今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
コメント