ハーレーはアメリカで製造されて日本にやってくる。
実はもうそれは過去の話です。
日本に入ってくるハーレーはアメリカ製ではなくタイ製です。
2022年を境に日本に入ってくるモデルは、ほぼタイ生産に切り替わりました。

とはいえ、メーカーHPやカタログではそのことが明確には触れられていません。
「いつからタイ生産になったの?」「今でもアメリカ製は買えるの?」「品質は落ちないの?」と疑問が尽きないのも正直なところ。
そこで本記事では、ハーレーの最新生産事情を解説していきます。
- タイ生産が始まった背景
- 日本向けモデルがどう変わったのか
- アメリカ製が残っているモデル
- 情報が公にされにくい理由
- 製造国を確認する方法
など、これからハーレーを購入する方に気になるポイントをまとめてお伝えします。
ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
ハーレーダビッドソンは今どこで生産されているのか?
近年、ハーレーダビッドソンは生産拠点の多極化を強化しています。
- アメリカ
- タイ
- インド(2020年撤退)
- ブラジル工場(縮小)



とはいえ、実質2か国ですね。
アメリカ以外の主要生産国は?
2025年時点で稼働している主要工場は大きく2つ。
| 生産国・地域 | 工場名/場所 | 主な役割・内容 |
|---|---|---|
| アメリカ | ・カンザスシティ工場 ・ヨーク工場 | 主力モデル、CVO、トライクなどの生産 |
| タイ | ラヨーン工場 | アジア市場向けの完成車組立拠点 |
特に存在感を高めているのが タイ・ラヨーン工場。
ハーレーといえば、アメリカ生産が当たり前でしたが、アジア諸国向けはタイで製造されたハーレーが出荷されています。
ハーレーはいつからタイ生産が始まったのか?


タイ工場計画の発表が行われたのは 2017年 のこと。
翌2018年に稼働を開始し、2019年以降アジア向け出荷が本格的に拡大します。
この背景にあるのが、世界的な関税政策・国際物流コストの変化です。


たとえばアメリカから欧州へ輸出する場合、完成車の関税は高く、輸送日数もかかる。
しかも2018年には米EU間の制裁関税の応酬が起こり、ハーレーは“生産地の多極化”を加速せざるを得ませんでした。
結果として、世界市場は次のように整理されます。
| 拠点 | 役割・担当市場 |
|---|---|
| アメリカ工場 | 北米・欧州市場を担う |
| タイ工場 | アジア太平洋地域の中心 |
| ブラジル工場 | 南米市場向け |
つまり、ハーレーは“アメリカの高付加価値マシンは本国で、ボリュームゾーンは市場の近くで”という合理的な配置に切り替えたわけです。
タイ工場に生産が移った理由
関税と輸送コスト対策
アジアで大型バイクを輸入すると、国によっては
- 車両関税
- 部品関税
- 登録税
- 産業保護政策
といったコストが積み重なり、欧米製バイクは非常に高額になりがちです。
そこでハーレーはCKD(完全ノックダウン方式)を採用しました。
製品を完全に分解した部品の状態で輸出し、現地でゼロから組み立てる生産方式
つまりハーレーは、
アメリカから部品を輸送⇒タイで組立 ⇒“現地生産扱い”で輸出する方式を取っています。
- 現地向け関税を適正化
- 市場価格を維持
- 利益率も安定
と、メーカーにもユーザーにもメリットが発生します。
アジア中心への納期短縮
タイはアジア物流の中心です。
たとえば船便を使うと距離が短いので、本国アメリカから輸送するのに比べ供給リードタイムが劇的に縮まります。
- 日本:5〜10日程度
- 韓国:3〜7日
- 東南アジア全域:1〜4日
そしてこれはディーラー・ユーザー双方にとって大きい話です。
- 欲しいモデルが入手しやすい
- シーズンに間に合う
- 在庫過多・欠品のリスクが減る
バイク産業としてアジアが成長市場
世界的に見ると、二輪市場は欧米諸国が頭打ち傾向にある中、アジア地域は成長を続けています。
今後成長が期待できる市場の近くで組立を行うのは、世界メーカーの基本戦略と言えます。
むしろ長らく“アメリカ一本で戦い続けたハーレー”の方が珍しかったとも言えます。



とはいえ、made in USAのブランドイメージを守る戦略は正しかったと思います。
タイ生産は品質的に問題があるのか?
結論は “ほぼ問題なし” です。
部品はアメリカ・欧州製が多い
- エンジン内部
- フレーム
- 電子制御
- サスペンション
など主要部品はアメリカ・ヨーロッパなど既存生産ラインのもの
“東南アジアで一から作っているわけではない”ため、品質の差は出にくいのが現実です。
品質管理はアメリカ本社基準
タイ工場もアメリカ本社の監査・生産基準に従っており、
- 設備
- 作業手順
- 検査項目
- 出荷基準
は米国と統一されています。
タイ生産だからといって品質が落ちたわけではない
先にも述べたようにエンジンや主要部品は依然としてアメリカ製であり、現地では「最終組み立てを行う」というCKD方式が採用されています。
つまり、品質基準や管理体制はアメリカ本社の監査のもと維持されています。
むしろ、船積み期間や在庫滞留が減ることで、
- 製品状態が良いまま届く
- 正規ラインナップを安定供給できる
というメリットすらあります。
ハーレーは進化を止めたわけではなく、“世界で売り続けるための仕組みが変わった”というのが現在の正しい理解と言えます。
むしろ状態が良い場合も多い
アメリカ→日本輸送よりも
- 船便が短い
- 車両の積み置き期間が短い
ため、輸送中のダメージ・経年劣化のリスクは減り、コンディションは安定しがちです。
また、輸送距離が短くなったことで、
- 調整ずれ
- 損傷
- 長期保管
といったリスクは減少。
むしろ製品状態は安定しているという声もあります。
日本に入ってくるハーレーはタイ製が主流なのか?
結論から言うと、現在の日本向けモデルは大多数がタイ製です。
日本向けは2022年モデルからタイ製に切り替わった
2022年頃から店頭での説明も明確に変わり、
- 通常ラインの多くはタイ組立
- 一部上位モデルのみアメリカ製
という構成が一般化しました。
ただし品質面の不安は不要です。
多くの部品・金属・加工ラインはアメリカ/欧州製で、組立基準は全世界統一。
「最終組立する建屋がミルウォーキーかラヨーンか」の違いに過ぎません。
今でも日本向けのアメリカ生産のモデルはあるのか?
もちろんあります。
いわゆるボリュームラインの一般的なモデルはタイ生産ですが、CVOなどの上位プレミアムラインはアメリカ本土で生産されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| CVOシリーズ | ブランド価値の象徴として米国で製造 |
| トライク(Tri Glide、Freewheelerなど) | 生産設備の関係から本国継続 |
| 警察・業務用車両の一部 | ― |
なぜこの情報が公式サイトにあまり載っていないのか?
ブランドイメージとの兼ね合い
ハーレーは「Made in USA」という物語を武器に、100年以上ブランドを育ててきました。
ここに「日本向けの多くはタイ生産です!」とストレートに書いたらどうなるか。



えー?ハーレー(アメリカの象徴)なのにタイで作られていないの?
って思いますよね。
人によっては購買意欲が削がれるかもしれません。
このリスクを企業が避けたくなるのは、ある意味当然でしょう。
確定しないことを明文化しない
生産地は、市況、為替、関税、で日々変化します。



最近のトランプ関税で日本の自動車産業が打撃を受けているのがまさにそれです。
きっと状況次第では日本に入ってくる車体もアメリカ製に切り替わるかもしれません。
もし公式が明言した後で変更があれば、
- 発表との矛盾
- 訂正リリース
- PRリスク
が発生します。
だからこそ、ハーレー社としては“必要なことは必要な場所で、最低限伝える”という慎重なスタンスをとっているのかもしれません。
ハーレーの生産国の確認のしかた
車体プレート(VINプレート)を見る


フレームに打刻されたVINプレートの11桁目を見ると確認できます。
- Y=アメリカ、ヨーク工場
- K=アメリカ、カンザスシティー工場
- N=インド、ハリヤーナー工場
- S=タイ、ラヨーン工場
正確には最終的に組み上げた工場ですが、生産国が分かります。



筆者の2009年式FXDBはアメリカ生まれみたいですね。
同じモデルでも年式の違いに注意
同じモデルでも生産国(組立てた国)が違うことは普通にあります。
- 2021年 → アメリカ組立
- 2023年 → タイ組立
オークション等で情報を確認する際は、
- 車名
- 年式
- 車台番号(VIN)
この3つをセットで確認するのが大切です。
まとめ:ハーレーはアメリカ製では無くなった
現在の日本向けのハーレーダビッドソンは、ほぼタイ生産に切り替わっています。
本記事中でも述べたように品質的にネガティブな要素は無いと考えています。
- プレミアムラインは今もアメリカで継続
- 部品や品質基準はアメリカと同一
- ロジスティクス・関税・供給安定のための戦略
とはいえ、“Made in USA”というブランドを捨てる方向に進んだハーレーの戦略には、正直なところ疑問を感じています。



ハーレーは「アメリカ文化の象徴」というブランドイメージですからね。
色々とボヤいてしまいましたが、けっきょくのところ、どこで生産されたかではなく、そのバイクが好きかが重要だと思います。
キャブ、インジェクション騒動でも、似たような感じでしたからね。
筆者もインジェクションへの風当たりが強い中でFXDBを購入しましたが、とても気に入っています。
なので生産国に縛られることなく気に入ったモデルを購入すべきだと思います。
今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。



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