ハーレーダビッドソンの数あるカスタムスタイルの中で、一番人気があると言っても過言ではないのが「ボバー(Bobber)スタイル」 です。
シンプルで無骨、不要なものを削ぎ落としたデザインは、派手さを競うチョッパーとは対照的。
クラシカルで渋い雰囲気が人気の理由です。
本記事では、ボバースタイルの特徴からおすすめハーレーモデル、中古相場、カスタム方法、注意点 までを徹底的に解説します。
自身のハーレーをボバースタイルにしようか悩んでいる方のお役に立てる内容となっています。
ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
ボバースタイルとは?起源と特徴
「ボバー」とは、第二次世界大戦後のアメリカで広まったカスタムスタイルの一つです。
特徴は以下の通りです
- 不要なパーツを外して軽量化(リアフェンダーの短縮=“bobbed”が由来)
- シングルシートでソロライドに特化
- 低めの車高で重心を落とし、無骨で力強い印象
- シンプルでクラシックなスタイル

ざっくり言うと「必要最低限の機能だけを残し、走りを楽しむために削ぎ落としたスタイル」がボバーです。
ハーレーに見られるボバーとチョッパーの違い
混同されがちな「チョッパー」との違いを整理しておきましょう。
スタイル | 特徴 | イメージ |
---|---|---|
ボバー | パーツを取り外して軽量化、シンプル、クラシック | 無骨・渋い・最低限 |
チョッパー | フロントフォークを延長、派手な塗装、装飾性が強い | 目立つ・派手・自由な造形 |



乱暴な言い方をしてしまうとボバー=引き算のカスタム、チョッパー=足し算のカスタム という違いがあります。
ボバースタイルにおすすめのハーレーモデル
ボバー化に向いているモデルは、コンパクトでシンプルなベース車両。
特にスポーツスターやソフテイルはカスタムの自由度が高く、パーツ供給も豊富で人気です。
ここでは具体的な車種と、どのようにボバー化できるのかを解説します。
スポーツスター系(XLシリーズ)
ハーレーの中でも最もボバーにしやすいシリーズ。
軽量で扱いやすく、中古車市場でも豊富に出回っています。
XL883N アイアン883


黒基調のシンプルなデザイン。ボバー化では以下の手法が定番です。
- リアフェンダーをショート化、もしくはカット
- ソロシートへ換装
- ハンドルをドラッグバーやエイプハンガーに交換
XL1200X フォーティーエイト


太いフロントタイヤと低いシルエットで、元々ボバーライクな雰囲気を持つモデルです。
- フェンダーレス化やテールランプ移設でさらにボバー感を強調
- ミッドコントロールをフォワードへ変更し、足元をスッキリ
- ピーナッツタンクをそのまま活かすのも魅力



スポーツスターなのにFL系っぽい異色な存在ですよね。
ソフテイル系
スポーツスターより車体が大きく、迫力のあるボバーに仕上がります。
三角フレームなのでカスタム次第で印象が激変するのも魅力ですよね。
ストリートボブ(FXBB)
純正状態でも「ボブ」という名を冠しているように、すでにボバー寄りのカスタムベースとして最適な車体です。
- ショートフェンダー+ソロシートでより無骨に
- サイドマウントナンバーでクラシック感を演出
- 純正でも黒基調だが、あえてクロームパーツに差し替えるのもアリ
ファットボブ(FXFBS)
2025年に廃番となってしまいましたが、太いタイヤが特徴的な異色なモデルです。
少し難易度が高いかもしれませんが、うまくやればマッスル感の強いボバーに仕上がると思います。
- ハンドル交換でクラシック方向にも寄せられる
- 直線的なカスタムマフラーで迫力アップ
- タンデム仕様を完全にソロ化することで“現代版ハードボバー”に
ソフテイル・スタンダード(FXST)
余計な装飾が少ないためカスタムベースとして理想的なモデルでしたが、残念ながら2025年に廃番となってしまいました。
- フェンダーカットやショートリアフェンダー交換
- ビンテージ調ソロシート+スプリングマウント
- 細身のドラッグバーを付ければクラシック感が強調される
ダイナ系(旧モデル)
ダイナモデルはすでに生産終了ですが、中古市場では根強い人気を誇ります。
特に「ストリートボブ(FXDB)」はボバー化に最適です。
- フェンダーカット・ソロシートで即ボバー化可能
- ミッドコントロールでバランス良好
- マフラーは2into1で軽快さを出すと◎



余談ですが、モデルチェンジした2009年型の発売当時は純正チョッパーとして売り出されていました。
ハーレーをボバー化カスタムうる方法
ハーレーをボバースタイルにカスタムするための手法を紹介します。
ボバー化カスタムの共通手法
ボバースタイルのカスタム手法は以下の6つが定番です。
- リアフェンダーショート化
- ソロシート換装
- 低めのワイドハンドル
- ショート管マフラー
- ナンバープレートをサイドマウント
- コンパクトなテールランプ
リアフェンダーショート化
リアフェンダーを短く切断、またはショートフェンダーに交換することで、一気にボバーらしいシルエットになります。
ソロシート換装
2人乗りシートを取り外し、ソロシートへ交換するだけでガラッと雰囲気が変わります。
さらにスプリング付きのシート(サドルシート)にすればよりクラシカルな印象になります。
ハンドル交換
ボバースタイルの定番はドラッグバーなどの低めのワイドなハンドルです。
とはいえ、ミニエイプバーも取り付けている車体も多く見かけます。



筆者のストリートボブもミニエイプバーです。
ショート管マフラー
ボバーと言えばショート管マフラーですよね。
ハーレーでは無いですが、トライアンフのボンネビルの左右出しのマフラーはカッコいいと思います。



ショートマフラーは車検対応品が少ないのが悩ましいところです。
ナンバープレートをサイドマウント
ナンバーを横へ移設するとリア周りをすっきりします。
が、日本のナンバープレートは大きいので横に移動したとて主張が大きいんですよね。
おまけに縦置きも明確に禁止されてしまったので、個人的にはカスタムの優先度は低いと考えます。
コンパクトなテールランプ
テールランプを小型、さらにクラシカルなタイプにするとよりボバー感が演出されます。
筆者のストリートボブはリアフェンダーをカットして、テールランプを変更したらガラッと雰囲気が変わりました。



「リアフェンダーが割れて仕方が無くカスタムした」本当のところですが。
ボバー・カスタムの基本(費用・パーツ相場)
ハーレーをボバースタイルする費用をカスタム箇所別にざっくりまとめました。
カスタム箇所 | 内容 | 費用目安 |
---|---|---|
リアフェンダー | ショート化・交換 | 3万〜10万円 |
ソロシート | スプリング付き換装 | 2万〜5万円 |
ハンドル | ドラッグバー/エイプハンガー | 2万〜7万円 |
マフラー | スリップオン/2in1 | 5万〜20万円 |
灯火類 | 小型ウインカー・テール | 1万〜5万円 |
ナンバー | サイドマウント化 | 1万〜5万円 |
トータル 10万〜40万円前後 が目安。
ボバースタイルを楽しむための注意点と解決策
- 車検・法規制への対応
- 快適性・積載性の低下
- カスタム費用の増大
車検・法規制への対応
- フェンダーカットやマフラー交換は保安基準に抵触する可能性あり。
- 車検非対応マフラーはNG。
- 車検対応のパーツを選ぶ
- ボルトオンフェンダーキットを使い、車検時に純正へ戻せるようにする
快適性・積載性の低下
- ソロシート化やフェンダーレス化で二人乗り不可、荷物も積みにくい。
- デイバッグやサイドバッグを活用
- 必要に応じてタンデムステップを残す
- 長距離用には取り外し可能なキャリアを併用
カスタム費用の増大
- フルカスタムを追求すると想定以上に費用が膨らむ。
- シートやリアフェンダーなど優先度の高いカスタムから段階的に進める
- 中古パーツやリプロ品をうまく活用
よくある質問(FAQ)
- ハーレーをボバーにカスタムすると車検は通りますか?
-
ボバー自体は車検非対応ではありません。
ただし「リアフェンダーの長さ」や「マフラーの音量」が基準を満たさない場合は不合格になることがあります。
ボルトオンパーツを活用して車検時に純正へ戻す、または車検対応マフラーを選びましょう。
- ボバーとチョッパーの違いは?
-
ボバーは「削ぎ落とす」カスタムで、短いフェンダーとシンプルさが特徴。
一方 チョッパーは「切って伸ばす」カスタムで、ロングフォークや派手な装飾が特徴です。
- 初心者がボバーを作るならどのモデルがおすすめ?
-
スポーツスター系(アイアン883やフォーティーエイト) が最適です。軽量で扱いやすく、パーツも豊富。費用を抑えつつ王道ボバーを楽しめます。
- ボバーカスタムの費用はどのくらいかかりますか?
-
ライトなカスタムなら 10万円前後 から可能。本格的にやると 50万円以上 かかることもあります。
段階的に進め、優先度の高いパーツから交換していくのが賢い方法です。
まとめ|ハーレーでボバースタイルを楽しもう
ボバーは「シンプルに見えて奥深い」カスタムスタイル。
今回のFAQで触れたように、車検・費用・実用性などで不安になる部分もありますが、解決策を取り入れれば安心して楽しめるのが魅力です。
- 初心者なら スポーツスター系で気軽に始める
- 本格派なら ソフテイルや旧車で唯一無二のボバーに挑戦する
あなたもぜひ、自分だけのハーレーボバーを作り上げてください。
今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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