保有株の分析を兼ねて『日本ガイシ【5333】』を購入した理由を書いていきます。
- 『稼ぐ力』『守る力』『還元する力』 をグラフで簡単に説明
- 日本ガイシの『事業展開と今後の見通し』と『将来性』を考察

まずは直近のチャートを見てみましょう





年末に1600円のラインにタッチしたので購入しました


- コロナ禍前の水準まで上値余地がある
- 業績の回復と共に増配(減配前の水準)が期待できる
実際に2021年9月に配当予想を修正して、増配を発表しました。
ですので現在の配当利回りは3%(2021年10月現在)を超えています。
今回の記事では、日本ガイシのIR資料を簡単にまとめたので紹介します。



増配発表前にこの記事を書きたかった
日本ガイシ【5333】とは


日本ガイシと言えば『クロコくん』のキャラクターでお馴染みの企業ですよね。


社名となっている『碍子』を製造している会社ですが、日本ガイシは『セラミックス事業』で稼いでいる会社です。





セラミックスって何?



乱暴な言い方をしてしまうと、粘土を焼き固めた素材ですね
セラミックスまたはセラミックという言葉から何をイメージしますか? 陶磁器やがいし、衛生陶器などの焼き物を思い浮かべる人も多いかもしれません。実は、身の回りにある材料のうち、鉄やアルミなどの金属、プラスチックやナイロンなどの有機物を除いた材料が全てセラミックスなのです。タイルや窓ガラス、さまざまな電子機器に使われる部品など、セラミックスは私たちの生活を支える重要な役割を担っています。
出典:日本ガイシ





日本ガイシで製造されるセラミックスは主に自動車の排ガス浄化用として用いられています。
日本ガイシ【5333】の株価を分析:IR資料より



数字ばかりでわかりにくいよね



わかりやすく要約してグラフ化していきますね
今回IR資料を分析するにあたり、参考にした図書はこちらです。
用語や数字の意味は、こちらの記事で解説していますので良かったらご覧ください。


稼ぐ力 → 「〇」


10年前の2012年と比較すると売り上げ高が倍近くになっていますね。
直近の決算資料によると、2022年3月期は売上高は過去最高となった19年3月期の4.635億円を更新する見込みです。
予想ROEは9.6%となっており、しっかり稼げていると判断できます。
過去業績のROEのブレが大きいのが気になるところですが、稼げる収益構造になってきているのは好感が持てますね。
守る力 → 「〇」


2019年に大きな設備投資をして、フリーCFがマイナスになっています。
それにも関わらずこの盤石の安定感。
2021年3月期の決算資料にも『50%以上の自己資本比率を維持』と明記されているので健全な経営をされている印象を受けます。
実際に日本ガイシは、ここ10年間、自己資本比率は50%以上を維持出来ています。
『自己資本率は50%を超えていれば倒産リスクは低い』と言われているので、財務面は心配する必要は無さそうですね。
還元する力 → 「〇」


2021年はコロナ禍の影響を受け減配となりましたね。
しかし2021年9月に配当予想を修正して、増配(1株あたり60円)を発表しています。
利益が出たらすぐに株主に還元する姿勢は好感が持てますが、【配当予想の修正に関するお知らせ】に気になる言葉がありました。
1.配当金予想修正の理由
引用:日本ガイシ2021年3月期決算資料
当社は、株主の皆様の利益を重視し、持続的な企業価値向上と利益還元を経営の最重要政策の一つに位置づけています。
配当金については、事業リスクの変化に合わせた純資産管理と3年程度の期間業績(ROE)へのリンクも勘案し、純資産配当率3%及び連結配当性向 30%程度を中期的な目処として、さらにはキャッシュ・フローの見通し等も勘案して配分することとしています。
株主としては、もう少し頑張って欲しいのが正直なところ。
とは言え、先にも述べた通り、現在の配当利回りは3%(2021年10月現在)を超えて高配当株の部類に入ってきています。
保守的な運営ではありますが、充分魅力的な銘柄だと考えられます。



なお日本ガイシは【株主優待制度】を採用していません
海外展開 → 「〇」


日本ガイシの海外売上比率は、日本企業の中でも上位に属します。
海外売上比率と高いので、昨今の円安は日本ガイシに利益をもたらしているようです。
為替感応度は平均レートが1円円安になると、
ドルで 売上高=13億円、営業利益=6.8億円、
ユーロで売上高= 6億円、営業利益=0.4億円 の増収増益となります。
【22年3月期・為替の前提レート】
ドル円:105円、ユーロ円:125円
引用:日本ガイシ2021年3月期決算資料より
日本ガイシは時流に合った製品を展開している
日本ガイシは、SDGsやDXと相性の良い製品展開をしています。




よくニュースでも耳にしますが、世界的にSDGsやDXがトレンドですよね。
そして、SDGsはESG投資と密接な関係にあります。
ESG投資は、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のことを指します。特に、年金基金など大きな資産を超長期で運用する機関投資家を中心に、企業経営のサステナビリティを評価するという概念が普及し、気候変動などを念頭においた長期的なリスクマネジメントや、企業の新たな収益創出の機会(オポチュニティ)を評価するベンチマークとして、国連持続可能な開発目標(SDGs)と合わせて注目されています。
引用:経済産業省
特に海外投資家はESGを重視する傾向が強いので、このトレンドに乗れない企業は資金を引き揚げられてしまいます。



日本ガイシは、積極的にSDGsに取り組んでいるので心配は無さそうですね
まとめ:日本ガイシ【5333】の今後の株価は期待できる
日本ガイシ【5333】は 『還元する力』が保守的ですが、堅実な経営をしている素晴らしい会社ですね。
- 売上高は過去最高を記録
- 海外売上比率が高いので為替の影響を受けやすい
- カーボンニュートラル・デジタル社会に相性の良い製品構成
現在株価は、やや割安な水準(2021/10/13時点)です。
しかし、いまは株式市場全体が不安定な状態。
ここからの下落局面は十分にあり得るので、注視していく必要がありますね。
今回の記事は以上になります。
当ブログでは個別の銘柄について言及していますが、投資を推奨しているものではありません。
投資は自己判断でお願いします。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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