- 『純金上場信託』と『GLDM』のメリットとデメリット
- 金ETFのオススメの運用方法
投資の世界では『安全資産である金(ゴールド)をポートフォリオに取り込むべき』と良く耳にします。

とはいえ600(万円/kg)もする『金の延べ棒』なんて買えないですよね
確かに普通のサラリーマンでは買えませんよね。
でも大丈夫です。
金を買う方法は他にもあります。
それは金ETFです。
金ETFとは、金への投資を商品市場ではなく、投資家になじみ深い株式市場で行えるようした新金融商品で、金地金で運用する投資信託を株式市場に上場した上場投資信託(Exchange Traded Funds)です。
出典:Hitachi Research Institute
ざっくり言うと『金を株みたいに手軽に売買出来るようにした商品』。
日経225ETFが日経平均の価格に連動するように、金ETFは金の価格に連動します。
商品にもよりますが『金地金のように高額では無く、1株2000円程度から購入出来る』ので手軽に金をポートフォリオに組み込むことが出来ます。
代表的な金ETFは下記の4つです。
- iシェアーズゴールド・トラスト【IAU】
- SPDRゴールド・シェア【GLD】
- SPDRゴールド・ミニシェアーズ【GLDM】
- 純金上場信託【1540】
私はこの中から『現物と交換可能』という特徴に魅力を感じ、10年くらい純金上場信託【1540】を定期的に買い足しながら保有していました。
しかし、今は純金上場信託を全て売却し、GLDMを購入しています。
今回の記事では『私が実際に購入した【純金上場信託】と【GLDM】を比較』し、『なぜ私が純金上場信託を止めてGLDMに乗り換えたか』を解説します。
GLDMに乗り換えたワケ
金ETFは基本的に分配金が出ません。
そのまま保有しても資産価値は目減りするだけなんですよね。
なので…
- 経費率をとにかく抑えるべきと判断した
- 購入するたびに買付手数料を取られるのは堪える
- 私の資産規模では純金上場信託のメリットを生かせない
細かい理由は追って解説しますが、私が『純金上場信託からGLDMに乗り換えた理由』はこんな感じです。
誤解しないでいただきたいのが
【1540:純金上場信託】が悪いというワケではありません。
しかし『毎月少ない金額を積み立てる』私の運用方法にはGLDMが最も適していたわけです。



では、次項から細かい理由について説明していきますね
【金ETF】GLDMと純金上場信託の特徴
まずは【GLDM】と【純金上場信託】のそれぞれの特徴を見てみましょう!
SPDRゴールド・ミニシェアーズ【GLDM】
GLDMとは
GLDを運用する【ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ】が、2018年に経費率に勝る【IAU】に対抗すべく、『小口化&低コスト化された商品』です。





経費率引き下げ戦争の産物ですね
GLDMのメリットとデメリット
- 経費率の安さ(0.18%)
- 1株15~20ドル(約2000円未満)なので手軽に買える(2021年8月時点)
- 世界の金ETFの1/3にあたるGLDを持つSSgAの商品なので安心
- 純資産総額が少ないので流動率が劣る
- 為替リスク
GLDMの特徴
GLDMの最大の魅力は『経費率の低さ』です。
ちなみに親玉にあたる『GLDの経費率は0.48%なので半分以下』で済みます。
GLDMは、まだ立ち上がって日が浅いので純資産総額が少ないETFです。
ですが、最大規模の金ETFであるGLDを運用する『ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズが運用している』ので、気にするほどのデメリットでは無いと考えています。
純金上場信託
1540:純金上場信託とは
通称【金の果実】と呼ばれています。
【三菱商事】が金を拠出し、【三菱UFJ信託銀行】がそれらの『貴金属現物を裏付けとする受益権(ETF)を発行して運用する商品』です。





購入した裏付けとして『国内に現物』が保管されます
純金上場信託のメリットとデメリット
- 購入分の裏付けがある(現物国内保管型)
- 現物への転換(交換)が可能
- 為替リスクが無い
- 経費率が高い
純金上場信託の特徴
最大の魅力は『現物国内保管型』という点です。
現物の金を買っているのと同じなので、
『本物の金地金(ゴールドバー)と交換が可能』



それと引き換えに経費率が少し高めとなっています。
GLDMを購入するワケ
それぞれのメリットデメリットを把握したうえで『GLDMを推す理由』を挙げていきます。
まずは理由のおさらいです↓↓↓
- 経費率をとにかく抑えるべきと判断した
- 購入するたびに買付手数料を取られるのは堪える
- 私の資産規模では純金上場信託のメリットを生かせない



では、1つずつ解説していきます
1. 経費率をとにかく抑えるべきと判断した


先にも触れましたが基本的に金ETFは分配金が出ないので、そのまま保有しても資産価値は目減りしていきます。
金という商品の特性上、中長期で保有する事となりますので『経費率は低い』に越したことはありません。
それに加え1株あたりの価格が安いので、少額投資をする私にとって『GLDMは扱いやすい』のも魅力的でした。
2. 購入するたびに買付手数料を取られるのは堪える
毎月決まった金額を購入する手法を取っている私にとって買付手数料は死活問題でした。



今はだいぶ手数料も値下げしてきましたが、当時(2015年)は1回あたりの『買付手数料が368円』と高額だったんですよね
当時は毎月1回ずつ【スポット購入】していたので
368円×12(回/年)=4416(円/年)損失



手数料に加え一時は金の価格が下落していたので、かなり堪えました
ETFの手数料撤廃への動き
しかし最近は【NISA取引限定】、【一部商品の限定】の証券会社もありますが、買付手数料が無料の証券会社が増えてきました。
私は【特定の米国ETF限定】ではありますが、買付手数料が無料の【楽天証券】を利用しています。


- 2022年4月時点の情報です
- 手数料無料が撤廃される可能性もあるので注意が必要です。



最近はユーザーの奪い合いで手数料撤廃が加速しています
3. 私の資産規模では【1540:純金上場信託】のメリットを生かせない
私が以前【GLDM】を選択した理由はコレなんですね。
純金上場信託の最大の魅力は『現物の金を買っているのと同じ』なので『本物の金地金(ゴールドバー)と交換が可能』という点です。
しかし問題は最低交換必要口数です。


最低交換必要口数
1kg = 1049株 = 629万4000円
629万円必要です。
私は月に15000円ずつ購入しているので
金地金(ゴールドバー)化するのに必要な時間は419カ月。
419カ月=約35年
おまけに・・・


その他に消費税や手数料モロモロで追加で60万円程かかります。
こうなると現実的な数字ではありませんね。



きっと現物に交換する事は無いなー
結論:私の資産規模では純金上場信託のメリットを生かせない。



そんなワケで純金上場信託はコロナショックの時期にすべて売却しました
金ETF:GLDMのオススメ運用方法を紹介



だいぶ後ろ向きな理由でしたが、いかがだったでしょうか?
ここで私の運用方法を紹介します。
ドルコスト平均法で定期購入
私たちサラリーマンは資金と時間の制約の多いですよね。
ですので、『下落タイミングを狙ったスポット購入』ではなく、毎月決まった金額を決まった日に機械的に購入する『ドルコスト平均法』がオススメです。
ドル・コスト平均法とは、株式や投資信託などの金融商品の投資手法の一つ。定額購入法ともいう。金融商品を購入する場合、一度に購入せず、資金を分割して均等額ずつ定期的に継続して投資する。例えば「予定資金を12分割して、月末ごとに資金の1/12を投入し、一年かけて全量を買う」という手法。
出典:Wikipedia
私自身も少額ではありますが『毎月の自分の誕生日にあたる日』に15000円ずつ【GLDM】を購入しています。
そしてGLDMは1株の価格が安いので15000円程度でも小刻みに購入出来るのでドルコスト平均法に適していると言えます。



価格変動リスクも低減できて精神衛生的にも良いです
株式市場の暴落タイミングに備える
最近は昔ほどでは無いですが『金と株の値動きは逆相関』があります。



コロナショックの時期がそうでしたね
株価の暴落時に『金の価格は株価と逆方向の動き』をします。
私は『上昇した金を売る』→『割安になった優良高配当株を買う』手法を取っています。
※気の長くなるようなツマラナイ手法です
この手法でコロナショック時に、だいぶ資産を増やすことが出来ました。



そうは言っても元の資産規模が小さいので、
たかが知れていますが・・・


まとめ:資産規模が小さい人にはGLDMがオススメ
- 資産規模が小さい人は経費率が低い『GLDM』がオススメ
- 金ETFは『ドルコスト平均法』と相性が良い
- 金の価格は株価と逆相関
私は近い将来、また【暴落相場】が訪れると考えています。
まずは、毎月少しずつ『資産の5%を目標』に、次のチャンスに備えて【GLDM】を積立て始めてみてはいかがでしょうか?
なお記事の執筆にあたり参考にしたのは下記の図書です。



金だけでなく投資全般に触れている良書です
今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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